相場の世界で生き残るために相場の本質を見るための理論として100年以上支持されてきたダウ理論。
その6つの法則を理解すればチャートの未来を予測できるとされていますが、しっかり学んでいる人は意外と少ないです。
今回は前回に引き続き、「ダウ理論の6つの法則」より残り3つの法則について紹介します。
前回の記事の続きとなりますのでまだ見ていない人は前編から見ることをおすすめします。
-目次-
ダウ理論6つの法則【後編】
④トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
トレンドとは何か。
難しくは考えず、高値と安値が切り上がっていたらアップトレンド。
高値と安値が切り下がっていたらダウントレンドと考えてください。
そしてダウ理論を唱えたダウ・ジョーンズ氏はこう唱えています。
現在の市場で発現されているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
Wikipedia ダウ理論(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E7%90%86%E8%AB%96)
つまりダウ理論的転換シグナルが現れなければ、極端な話、500pipsの切り返しがあったとしてもそれはトレンド転換とはならずトレンド継続と判断するのです。
もちろん400pipsも切り返しがあったのならトレンド転換だと考える方もいるでしょう。
しかしトレンド転換が発現されるまではあくまでトレンド継続と判断するのがダウ理論なのです。
では、ここで解説する「転換シグナル」とは何か。
前提として、トレンドは「トレンド崩壊」を経て転換、あるいは継続といった形を取ります。
アップトレンドの場合は直近高値を上に抜けたら、ダウントレンドの場合は直近安値を下に抜けたらトレンド継続と判断します。
相場がアップトレンドなのかダウントレンドなのか横ばいなのか、そしてトレンドが発生している間は利益を最大化させるためにポジションを長く保有する事が重要です。
- トレンドが発生しているか確認する
- トレンドが発生しているのならば利益を最大化させるために長くポジションを保有する
では利益を最大化するためにどこまでポジションを保有すればよいのか。
そして絶好のエントリーポイントはどこなのか。
次のダウ理論の基本原則から考えていきましょう。
⑤トレンドには3種類ある
ここでいう3種類のトレンドとは主要トレンド、二次トレンド、小トレンドを示しています。
これらはトレンド発生から終了までのサイクルを基準に考えられます。
主要トレンドは1年〜数年サイクル、つまり日足以上のチャートが当てはまります。
二次トレンドは3週間〜3ヶ月程度、つまり1時間足から日足までのチャートが当てはまります。
小トレンドは3週間未満、つまり4時間足以下のチャートが当てはまります。
- 主要トレンド:日足以上のチャート
- 二次トレンド:1時間足から日足までのチャート
- 小トレンド:4時間足以下のチャート
これらは決して独立しているのではなく連動しているものと考えます。
主要トレンドの調整局面を拡大すると二次トレンドがあり、二次トレンドの調整局面を拡大すると小トレンドがあります。
主要トレンドから小トレンドを連動して考えるのは、押し目や戻りをエントリーポイントとして捉えるためです。
主要トレンドの押し目でエントリーすることが望ましい局面ですね。
エリオット波動的に考えると利益を最大に獲得で来るのは第3波の始値でエントリーすることであり、これを捉えるための分析の1つとしてダウ理論の3種類のトレンドの連動が大いに役立ちます。
3種類のトレンドの方向が一致したとき、それがエントリーポイントとなるのですがここでは割愛し別記事でまとめようと思います。
⑥主要トレンドトレンドは3段階からなる
この法則は主要トレンドに該当するものなので日足以上のチャートが対象となります。
主要トレンドの3段階とは「先行期」「追随期」「利食い期」と名付けられています。
- 先行期:市場価格が下落し底値と判断した一部の投資家が「買い」をいれる時期。
- 追随期:市場価格の上昇に追随して「買い」が入れられる時期。上昇局面に入る。
- 利食い期:価格が十分に上昇した事を見て、はじめに「買い」を入れた投資家が利確に入る時期。上昇局面が弱まってくる。
これはトレーダーの心理に当てはめると納得できますね。
熟練のトレーダーは「先行期」に買い注文を入れ、上昇局面に乗った「追随期」で第2陣の買い注文を入れ「利食い期」で決済することで最大の利益を得ます。
しかし場馴れしていないトレーダーは追随期で運良く買い注文を入れて利益を取れることはありますが、追随期終盤で「まだまだあがるぞ!」と買い注文をいれてしまい、そのまま利食い期に突入した結果、だらだらとポジションを持ち続けてしまい最悪の場合ロスカットに追い込まれるなんてこともあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「たしかにそうだな!」と思う方もいれば「あまり腑に落ちない」なんて方もいるでしょう。
しかし1世紀に渡り相場関係者に支持されてきた実績があることは確かです。
普段のチャートを見ながら自身のテクニカル分析に組み入れてみてください。