FXの代表的なインジケーターの1つとして、移動平均線(MA)を紹介します。

初心者でも取り組みやすく、使い勝手のよいインジケーターです。

価格の平均値をラインで結んだもので、視覚的にトレンドを把握することがでるのでテクニカル分析を行う上で重宝します。

ラインだから上昇トレンドなのか下降トレンドなのかわかりやすい!

移動平均線は単純移動平均線(SMA)指数平滑移動平均線(EMA)加重移動平均線(WMA)の3種類に分類されます。

基本的にはどれか1種類を選択し使用するものなので、それぞれの特徴と実際にTradingViewで設置する方法を紹介していきます。

-目次-

移動平均線とは?

移動平均線Moving Averageと書きMAと略されます。

価格の平均を表すもので右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドと見る等できます。

また、サポートラインやレジスタンスラインとしての役割も果たすためテクニカル分析の中でも使いやすい指標の1つです。

前述の通り、移動平均線には3種類あり、それぞれ計算方法が異なるので同期間(5MA、200EMAといった形式の数字の部分です)の移動平均線でもラインに若干のズレが生じます。

この記事ではSMA、EMA、WMAの3種類のMAを紹介するよ!

赤(EMA)のほうがよりローソク足に近く、値動きに対して敏感に反応していることがわかります

単純移動平均線(SMA)

Simple Moving Average、略してSMAと呼ばれるもので「S」を省略しMAでも通じます。

3つの移動平均線の中で最も計算方法がシンプルで、終値の価格を期間で割った平均値となります。

期間が5のSMAならば直近の5日間の終値を合計し、値を5で割ったものです。

(5日前の終値+4日前の終値+3日前の終値+2日前の終値+1日前の終値)÷5日

SMAの特徴は他の移動平均線と比較すると、価格変動に鈍感である点です。

例えば200SMAは期間が200日、つまり200日前の終値と1日前の終値の価格を平等に合計した平均値になります。

平等とは聞こえはいいですが、殆どの場合、200日前の終値と1日前の終値では価格にズレが生じているためどうしても値動きの反応が鈍くなってしまいます。

そういった意味では価格変動の追従性が欠けているとも取ることができます。

しかし追従性が高ければいいというわけではなく、ダマシの高値や安値に対しても反応してしまいミスポジションしてしまう、なんてことも考えられるので一概に追従性が低いと性能が悪いとは決めつけられないのです。

直前で大きな値動きがあっても、他のMAと比べてラインの動きが少しだけ弱いのが特徴。メリットでもありデメリットでもあるね!

指数平滑移動平均線(EMA)

Exponential Moving Average、略してEMAと呼びます。

指数平滑とは、観測値の中でより直近のデータに重きを置く考え方の算出方法です。

簡単に説明しますと、単純移動平均線では5日前から1日前までの価格合計を日数分(5)で割ることで算出していましたが、EMAでは5日前から1日前までの価格合計に1日前の価格に再度加えた価格を日数+1日(5+1)で割ることで算出します。

単純移動平均線(SMA)と比べると直近の価格帯に重きをおくように計算されていますので、ローソク足の動き(値動き)に機敏に反応します

なのでトレンド転換に即座に反応することができますが、経験が乏しいとダマシの高値や安値にひっかかってしまう可能性も高まります。

先ほど紹介したSMAよりも直前の値動きに敏感に反応するんだね!その分、ダマシの高値(低値)に注意が必要!

加重移動平均線

Weighted Moving Average、略してWMAと呼びます。

これは前述したEMAと同様に直近の観測値に重点を置いた移動平均線で、単純移動平均線よりも直近の変動に対する対応力は高いです。

(5日前の終値×1+4日前の終値×2+3日前の終値×3+2日前の終値×4+1日前の終値×5)÷15

EMAとよく似たMAだから、実際に使って比較してみよう!

TradingViewでのMA設定方法

①チャート上でインジケーターをクリック

今回は例として、指数平滑移動平均線(EMA)を表示させてみます。

まずはTradingViewを開いてチャートを表示させましょう。

そして上部にあるメニューコマンドからインジケーターをクリックします。

②表示させたいインジケーター名を検索

今回は指数平滑移動平均線を表示させたいので検索バーに「ema」と入力します。

すると様々なインジケーターの候補が表示されます。

下部のコミュニティ・スクリプトは他ユーザーが作成したインジケーターになりますので、興味がある方は試してみてください。

今回はTradingView標準のインジケーターを表示させたいので一番上のEMAをクリックします。

※単純移動平均線なら「sma」、加重移動平均線なら「wma」と検索します。

③EMAの詳細設定

チャート左上にEMAの文字が表示され、ローソク足の上にも細い青線が引かれました。

しかし線が細くて見にくく使いにくそうです。

そこで詳細設定をして自分好みにカスタマイズしましょう。

左上のEMAにカーソルを合わせると歯車のアイコンが出てくるのでクリックします。

パラメーターは基本的に期間のみ好みに合わせて設定しましょう。

期間は5にします。

オフセットで移動平均線を先行させたり後ろにずらしたりして戻り売りや押し目買いのために調整することもできます。

スタイルでは線の色や太さ、不透明度を設定することができます。

今回は濃い紫色で太めの線に変更します。

設定が完了したら右上の☓マークをクリックします。

以上で設定が完了しました。

濃い紫色の5EMAが表示されています。

まとめ

前述した通り、移動平均線は支持線やレジスタンスラインといったバリアになりえます。

チャートも生き物ですのでどの移動平均線がベストとは言い切ることはできません。

各種類自身のトレードに合わせて好みの移動平均線を使ってみましょう!